貴社にはすでに就業規則があるかもしれません。
しかし、その規則は今の法律に合ったものでしょうか?
貴社の実態に合ったものでしょうか?
実情に合っていない就業規則では、従業員は混乱します。
労使間のトラブルの多くははっきりしないルールが原因で起こっています。
規則を整備し、安心して働ける職場で、「会社も従業員もハッピーになりましょう」
儲かる会社にはきちんとしたルールがある
皆様の会社では、社員はいきいきと働いているでしょうか。私は、仕事柄、働いている人に注目して、会社を見てしまいますが、会社にはそれぞれのカラーがあります。
生き生きとして元気な会社やきちんとしていて感じのよい会社もありますし、反対に、冷たい印象を受ける会社やしまりのない雰囲気を感じさせる会社もあります。
ご自分の会社はどうでしょうか。断定的なことは言えませんが、もちろん前者の方が業績はよいと思います。業績を向上させるためには「一致団結して働いて利益を出し、その利益をみんなで分かち合おう」という空気が社内にみなぎっていることが重要ではないでしょうか。
活力ある企業を目指すならば、就業規則に今まで以上に関心を持ってみることをお勧めします。なぜなら、業績がよい会社というのは、「仕事をする上でのルール」が確立されていて、それがきちんと文章化され、徹底されているものです。
就業規則を作成し、会社も社員もそれを守るというルールを確立することで、社員は、会社を信頼します。業績というのは、会社と社員との信頼関係の上に築かれていくものだと思います。
就業規則の役割—3つのキーワード
(1)リスク管理
就業規則?面倒だなあと感じられる経営者の方も多いと思います。
表現もわかりにくいし、法改正に伴って改定も必要です。確かに面倒です。
けれども、問題社員がいた場合、合法的に会社から去ってもらうためには、規定が必要です。インターネットの普及などによって、働く人の知識は豊富になり、かつてのように会社の思い通りになるわけではありません。そのような時、会社を守ってくれるのが就業規則です。
(2)安心の提供
就業規則の2点目の役割は安心の提供です。労働条件や職場の規律が文書でハッキリしている職場では、余計な気を使わずにすみ、社員は、安心して能率よく働くことができ、そのことを通じて生産性が上がり、業績も向上することが期待できます。
(3)やる気のアップ
さらに就業規則に、やる気をアップさせる仕組みを取り入れると、より一層、業績向上のための役割を果たすことができるでしょう。やる気を刺激する規定として次のようなものが考えられます。
- 従業員に「権限」を与える規定
- がんばった成果を「評価」する規定
この部分は、工夫が生きるところですから、上記以外にもいろいろ考えてみて下さい。
成功の鍵は経営理念
では、就業規則を整備すれば必ず業績は上がるのでしょうか。残念ながら、就業規則を整備するだけでは、業績が上がるとは言えません。
まず、(1)社長自身が就業規則の重要性を充分理解していること、それから、(2)会社の経営理念がしっかりと根付いていること、この2つがなければ、就業規則を整備しても、業績に結びつけることはできません。
なぜ、「経営理念」が大切なのでしょうか。それは、同じ社内ルールでも、なぜそのルールがあるのかということを説明できるのとできないのとでは、社員に対する説得力が全く違うからです。
就業規則と言うと、法律に決まっていることを文書化するだけという印象があると思いますが、違います。それぞれの条文一つひとつは、社長の考え方で違ってきます。
同じ就業規則は2つとありません。就業規則全体を眺めて見ると、その会社のカラーが見えてきます。経営理念は、就業規則に魂を込める働きをするのです。
また、魂を込めていないと、社長自身がルールをいとも簡単にまげてしまい、かえって社員の信頼をなくすことにもなりかねません。これからも会社を発展させるために、経営理念、つまり「自分は何のためにこの会社を作ったのか」、「わが社はなんのために社会に存在するのか」について、今一度、整理してみられてはいかがでしょうか。